未来を担う後継者と経営者を支援する

伴走型事業承継コンサルタントの育成講座


事業承継において、後継者や経営者が直面する様々な課題や問題を解決するために、専門的な知識や経験を持った伴走型コンサルタントの存在は欠かせません。しかし、現在はこの分野におけるコンサルタントの人材不足が問題となっています。そこで、未来を担う育成者たちが伴走型コンサルタントとして活躍できるよう、この育成講座を開催いたします。

 

育成講座の内容の紹介:

  1. 事業承継における基礎知識
  2. 伴走型事業承継コンサルタントの役割・業務内容
  3. 後継者の選定と育成方法
  4. 経営者と後継者の意思疎通の方法
  5. 事業承継の計画策定方法
  6. 財務・税務対策の考え方
  7. DXを活用した事業承継の取り組み
  8. まとめ

 

本講座では、実践的な手法を中心に、事業承継に関するあらゆる課題に対応できる伴走型コンサルタントの育成を目指します。また、専門家の講義や事例研究、グループワークを通じて、参加者のスキルアップを支援します。


第四章 経営者と後継者の意思疎通の方法

本講座第四章では、経営者と後継者の間での意思疎通の方法について解説します。以下のような項目が取り上げられます。

  1. 意思疎通の重要性
  2. コミュニケーションの基本
  3. 経営者と後継者の役割分担
  4. 経営理念やビジョンの共有
  5. 定期的な意思疎通の場の設定
  6. 報連相の徹底
  7. トラブル解決のためのコミュニケーションの方法
  8. コミュニケーション能力の向上方法

 

 

1.意思疎通の重要性

事業承継において、経営者と後継者の間での意思疎通が十分に行われないと、思わぬトラブルや誤解が生じることがあります。例えば、経営者が後継者に事業の継承を期待しているにもかかわらず、後継者が事業承継に興味を持っていなかったり、逆に、後継者が事業承継に意欲的であるにもかかわらず、経営者がそのことに気づいていない場合などです。

そのため、経営者と後継者は、常にコミュニケーションを密にし、互いの考えや意見を共有することが重要です。また、経営者が後継者に対して、自身の考えや経営方針を明確に伝えることも重要です。こういったコミュニケーションを通じて、経営者と後継者はお互いの期待や意向を理解し、事業承継に向けた具体的な計画を策定することができます。

 

2.コミュニケーションの基本

経営者と後継者が意思疎通を図るためには、まずコミュニケーションの基本を理解することが重要です。

コミュニケーションには、言葉だけでなく、表情や身振り手振り、そして聴くことなども含まれます。言葉だけに注目するのではなく、相手の表情や態度から感情を読み取ったり、相手が何を求めているのかを察知することも必要です。

また、コミュニケーションは相手に合わせて行うことも大切です。相手が理解しやすい言葉や表現方法を選び、相手の意見や意向を尊重することで、意見の食い違いや誤解を防ぐことができます。

さらに、コミュニケーションには聴くことも重要です。相手の話をよく聞き、相手の意見や要望を理解しようとする姿勢を示すことで、相手との信頼関係を築くことができます。

以上のように、コミュニケーションの基本は、言葉だけでなく、相手に合わせた表現や聴く姿勢などを持つことが重要です。これらを理解して実践することで、経営者と後継者の意思疎通がスムーズになり、円滑な事業承継が可能となります。

 

 

3.経営者と後継者の役割分担

経営者と後継者は、それぞれ異なる役割を持ちます。経営者は、事業を率いるリーダーシップやビジョン、戦略的な判断力などが求められます。一方で、後継者は、現場レベルでの運営や改善提案、顧客とのコミュニケーションなどが求められます。

経営者と後継者の役割分担は、事業承継において重要な要素の一つです。役割分担が明確になっていないと、経営上の問題や意見の食い違いが生じ、事業承継が円滑に進まなくなることがあります。

そのため、経営者と後継者は、自分たちの役割を明確にし、その役割に応じた業務を担当することが重要です。また、役割分担が決まった後も、相手方の立場や考えを理解し、協力し合うことが大切です。

 

 

4.経営理念やビジョンの共有

経営者と後継者が意思疎通を行う上で重要なのが、経営理念やビジョンの共有です。経営理念とは、企業の存在意義や価値観、目的を明確に示したものであり、ビジョンとは、将来的にどのような状態になりたいかを示したものです。

経営者と後継者が共有する経営理念やビジョンは、企業の方向性を明確にし、ビジネスの成長戦略や事業展開方針を策定する際に重要な指標となります。また、共有することで、経営者と後継者が同じ方向を向いて仕事を進めることができ、チームワークを高めることもできます。

経営理念やビジョンの共有方法としては、経営者と後継者が一緒に考え、話し合い、共有することが重要です。また、経営者は経営理念やビジョンを後継者に説明し、理解してもらうことが大切です。後継者も、自分がどのようなビジョンを持ち、どのような経営理念を実践するかを考え、経営者と共有することで、より一層、企業を成長させることができます。

 

 

5.定期的な意思疎通の場の設定

経営者と後継者の意思疎通を促進するためには、定期的な意思疎通の場を設定することが重要です。定期的な会議や面談、ミーティング、報告会などを通じて、経営者と後継者は情報共有や相互理解を深めることができます。

例えば、週次の会議や月次の報告会を設定することで、経営者と後継者はビジネスの進捗状況や課題、改善点などを共有し、意見交換や戦略の調整を行うことができます。また、個別面談などを通じて、後継者の課題や悩みについて直接聞き取ることもできます。

定期的な意思疎通の場を設定することで、経営者と後継者の距離が縮まり、信頼関係が築かれます。それにより、後継者はより自信を持って経営に取り組むことができ、経営者も後継者をより信頼して経営を任せることができるようになります。

 

 

6.報連相の徹底

経営者と後継者の間での報連相は、円滑な意思疎通のために非常に重要です。報告する内容や頻度、報告方法などについて明確なルールを定め、双方が徹底的に遵守することが必要です。

具体的には、後継者が経営者に報告すべき内容や報告頻度、報告方法を明確に定めることが必要です。また、経営者も後継者からの報告内容に対して適切なフィードバックを行い、状況把握や問題解決のための意見交換を行う必要があります。

さらに、経営者と後継者の間での報連相は、相手の立場や感情を考慮したコミュニケーションが必要です。双方が相手の立場を理解し、共感することで、相手の意見や要望に対して適切な対応ができるようになります。

報告内容や報告頻度、報告方法などは、事前に決められたルールに基づいて徹底的に遵守することが重要です。また、双方が相手の立場や感情を考慮したコミュニケーションを行うことで、円滑な意思疎通が実現できます。

 

 

7.トラブル解決のためのコミュニケーションの方法

経営者と後継者の間でトラブルが発生した場合、それを解決するためのコミュニケーション方法が必要です。以下にその方法を解説します。

  1. 相手の立場や気持ちを理解する:トラブル解決の最初のステップは、相手の立場や気持ちを理解することです。相手の立場を理解することで、トラブルの背景や原因を把握し、解決策を見つけることができます。
  2. 問題を具体的に分析する:トラブルが発生した場合、感情的になってしまい、問題を正確に把握することが難しくなることがあります。そのため、問題を具体的に分析し、事実に基づいた認識を共有することが重要です。
  3. お互いの立場を説明する:トラブル解決には、お互いの立場を説明し合うことが必要です。自分の立場を正確に伝え、相手の立場も理解することで、双方が納得できる解決策を見つけることができます。
  4. オープンなコミュニケーションを心がける:トラブル解決のためには、オープンなコミュニケーションを心がけることが大切です。素直に自分の考えや感情を表現し、相手の意見や気持ちにも耳を傾けることが重要です。
  5. 解決策を共有する:トラブル解決の最終目的は、双方が納得できる解決策を見つけることです。解決策を共有し、双方が合意できるようにするためには、オープンなコミュニケーションが必要です。

以上が、経営者と後継者の間でトラブル解決のためのコミュニケーション方法です。トラブルが発生した場合には、感情的にならず、冷静に問題を分析し、お互いの立場を理解し合うことが重要です。

 

 

8.コミュニケーション能力の向上方法

経営者と後継者の間での良好なコミュニケーションを実現するには、双方がコミュニケーション能力を向上させることが重要です。以下に、その方法をいくつか紹介します。

  1. コミュニケーションスキルの研鑽:コミュニケーションスキルを研鑽することで、効果的なコミュニケーションが可能になります。例えば、アクティブリスニング、フィードバックの取り方、語彙力の向上、適切なコミュニケーションスタイルの選択などが重要です。
  2. トレーニングプログラムの受講:コミュニケーションスキルを向上させるためのトレーニングプログラムを受講することも有効です。ビジネスシーンで必要なコミュニケーションスキルを身につけることができます。
  3. コーチングやマネジメントサポートの利用:コーチングやマネジメントサポートを利用することで、経営者や後継者のコミュニケーション能力を向上させることができます。専門的なコーチによるアドバイスや指導を受けることで、効果的なコミュニケーションの方法を学ぶことができます。
  4. ロールプレイングの実施:ロールプレイングを実施することで、実際のコミュニケーションシーンを再現し、コミュニケーションスキルを磨くことができます。例えば、難しい話を上手く伝える方法や、難しい相手との交渉方法などを学ぶことができます。
  5. フィードバックの徹底:定期的にフィードバックを行うことで、相手のコミュニケーションスキルを向上させることができます。自分のコミュニケーションスタイルや発言内容に対するフィードバックを受けることで、自己改善につながります。

以上のように、コミュニケーション能力を向上させるためには、自己研鑽やトレーニング、専門家によるアドバイス、実践的な経験などが必要です。特に、経営者と後継者の関係では、双方が相手の立場や気持ちを理解し、適切なコミュニケーションを行うことが求められます。

さらに、コミュニケーション能力を向上させるためには、以下のポイントにも注意が必要です。

・相手の立場や視点を理解すること

・適切なタイミングでのコミュニケーションを心がけること

・言葉遣いやトーンに注意すること

・相手の反応を確認し、理解を深めること

・相手に対して興味を持ち、共感すること

これらのポイントを意識しながら、経営者と後継者が良好なコミュニケーションを築くことができれば、企業の持続的な発展につながることでしょう。

 

 

まとめ

本章では、経営者と後継者の意思疎通の重要性、コミュニケーションの基本、役割分担、経営理念やビジョンの共有、定期的な意思疎通の場の設定、報連相の徹底、トラブル解決のためのコミュニケーションの方法、そしてコミュニケーション能力の向上方法について解説しました。

経営者と後継者の間での良好なコミュニケーションを実現するためには、双方がコミュニケーション能力を向上させることが重要であることを学びました。また、役割分担、経営理念やビジョンの共有、定期的な意思疎通の場の設定、報連相の徹底、トラブル解決のためのコミュニケーションの方法など、実践的なアプローチを学びました。

経営者と後継者が意思疎通を図り、共に成長していくことは、企業の発展にとって非常に重要です。双方が適切なコミュニケーションを行い、経営者の経験やノウハウを後継者に伝え、後継者が新しいアイデアやビジョンを持ち込むことで、企業の発展につながることを忘れないようにしましょう。

 

 

第五章 事業承継の計画策定方法


育成講座の内容の紹介:

  1. 事業承継における基礎知識
  2. 伴走型事業承継コンサルタントの役割・業務内容
  3. 後継者の選定と育成方法
  4. 経営者と後継者の意思疎通の方法
  5. 事業承継の計画策定方法
  6. 財務・税務対策の考え方
  7. DXを活用した事業承継の取り組み
  8. まとめ