未来を担う後継者と経営者を支援する

伴走型事業承継コンサルタントの育成講座


事業承継において、後継者や経営者が直面する様々な課題や問題を解決するために、専門的な知識や経験を持った伴走型コンサルタントの存在は欠かせません。しかし、現在はこの分野におけるコンサルタントの人材不足が問題となっています。そこで、未来を担う育成者たちが伴走型コンサルタントとして活躍できるよう、この育成講座を開催いたします。

 

育成講座の内容の紹介:

  1. 事業承継における基礎知識
  2. 伴走型事業承継コンサルタントの役割・業務内容
  3. 後継者の選定と育成方法
  4. 経営者と後継者の意思疎通の方法
  5. 事業承継の計画策定方法
  6. 財務・税務対策の考え方
  7. DXを活用した事業承継の取り組み
  8. まとめ

第三章 後継者の選定と育成方法

第三章では、後継者の選定と育成方法について解説します。以下のような項目になります。

  1. 後継者の選定方法
  2. 後継者育成の重要性と方法
  3. 後継者としての能力・スキルセット
  4. メンター制度の導入
  5. リーダーシップ開発プログラムの提供
  6. その他の育成プログラム

 

 

1.後継者の選定方法

事業承継においては、後継者を選定することが非常に重要です。後継者として適任な人材を選ぶことで、事業継続性が確保されるとともに、事業の発展にもつながります。

後継者を選定する上で、まずは現状の事業状況や経営方針、将来のビジョンなどを考慮し、どのような人物像が必要かを明確にします。次に、後継者候補として挙がった人物が、その要件に適合しているかどうかを評価します。

評価の方法としては、以下のようなものがあります。

  • 実績や能力に基づく評価
  • 将来のビジョンや意欲に基づく評価
  • 人間性やコミュニケーション能力に基づく評価

また、後継者には、社内の人材から選ぶ場合と、社外から採用する場合があります。社内から選ぶ場合は、既存の人間関係や組織文化を考慮し、社員の中から適任者を選定する必要があります。社外から採用する場合は、事業に必要なスキルや経験、人物像を明確にし、適切な人材を採用する必要があります。

後継者を選定する上で重要なのは、選定のプロセスを透明かつ公正に行うことです。また、後継者候補には、自身が後継者にふさわしいという自覚を持ってもらうことも重要です。

 

 

 

2.後継者育成の重要性と方法

後継者育成は、事業を引き継ぐ後継者が事業を継続・発展させるために必要不可欠なプロセスです。適切な育成プログラムを提供することで、後継者のビジネススキルや経営能力、リーダーシップを向上させ、事業の継承や発展を支援することができます。

後継者育成の方法としては、以下のようなものがあります。

  1. 経験を積ませる:後継者には、事業の実務経験を積ませることが大切です。具体的には、様々な業務を経験させたり、部署を変えたりすることで、事業全体を理解し、経験を積ませます。
  2. 教育・研修プログラムを提供する:後継者には、ビジネススキルや経営能力、リーダーシップなどを向上させるための教育・研修プログラムを提供することが重要です。これにより、後継者が必要な知識やスキルを習得し、自己成長を促進します。
  3. コンサルティングサポートを提供する:後継者には、外部の専門家からのアドバイスやコンサルティングを受けることも必要です。専門家のサポートを受けることで、経営についての理解が深まり、より適切な経営判断ができるようになります。
  4. 目標を明確にする:後継者には、事業継承後の目標を明確にすることが重要です。目標を設定することで、具体的な方向性が示され、モチベーションの向上や計画の策定がしやすくなります。

以上のように、適切な育成プログラムを提供することで、後継者が事業を引き継ぎ、発展させることができます。

 

 

3.後継者としての能力・スキルセット

後継者としての能力・スキルセットには、以下のようなものが挙げられます。

  1. 経営者としてのビジネススキル:後継者は、将来的に事業を引き継ぐ立場になるため、経営者としてのビジネススキルを持っていることが求められます。具体的には、財務管理、人材管理、マーケティング戦略の策定などが挙げられます。
  2. 技術・専門知識:事業に必要な技術や専門知識を持っていることも重要です。例えば、製造業の場合は生産技術や製品開発の知識が必要となります。
  3. リーダーシップ能力:後継者は、経営者として従業員や社外の関係者とコミュニケーションをとりながら、組織をリードする必要があります。そのため、リーダーシップ能力が求められます。
  4. 視野・展望力:後継者は、事業を引き継ぐことで事業の発展を担うことになります。そのため、将来のビジネス展開についての視野・展望力が必要となります。
  5. コミュニケーション能力:後継者は、従業員や社外の関係者とのコミュニケーションを取りながら、事業を運営する必要があります。そのため、コミュニケーション能力が求められます。

以上のような能力・スキルセットが、後継者として求められます。ただし、全ての能力やスキルを持っていることは珍しいため、後継者育成プログラムを通じて、必要なスキルの習得を支援することが重要となります。

 

 

4.メンター制度の導入

メンター制度は、後継者育成の一つの手段として導入されることがあります。この制度は、経営者や経営幹部が後継者候補を指導することで、彼らの成長を促進することを目的としています。

メンターは、経験豊富で信頼性の高い経営者や経営幹部が担当します。彼らは、後継者候補に対して、ビジネスに関する知識やスキル、経営者として必要な資質や価値観を教え、アドバイスを提供します。

メンター制度によって、後継者候補は、実践的な経験を積み、自己成長を促進することができます。また、メンターとの関係を通じて、経営者としての自信を持つことができ、経営者としてのキャリアアップを目指すことができます。

メンター制度は、後継者候補の成長を促進するだけでなく、企業にとっても利益をもたらすことがあります。後継者候補が成長し、企業を引っ張っていくことができるようになれば、企業の成長や競争力の向上につながるからです。

 

 

5.リーダーシップ開発プログラムの提供

後継者の育成において、リーダーシップ開発プログラムを提供することは重要です。これは、後継者が企業をリードするために必要なスキルを開発するための取り組みです。リーダーシップ開発プログラムは、個人の強みと課題を明確にし、経営者として必要な知識・スキルを身につけるためのカリキュラムを提供することで、後継者の成長を促します。

具体的には、ビジネススクールやコンサルティングファームが提供するリーダーシップ開発プログラムに参加することができます。また、独自にプログラムを作成することも可能です。その場合、経営者や顧問として活躍している専門家を講師として招き、後継者に必要な知識やスキルを教えることができます。

リーダーシップ開発プログラムは、後継者にとって非常に貴重な経験を提供することができます。これにより、後継者は企業の将来の成長戦略に対応するために、必要なリーダーシップスキルを習得することができます。また、経営者として必要な決断力や問題解決能力を身につけ、自信を持ってビジネスをリードすることができるようになります。

 

 

6.その他の育成プログラム

後継者育成プログラムには、上記のメンター制度やリーダーシップ開発プログラム以外にも、その他の育成プログラムが存在します。例えば、次のようなプログラムがあります。

  • 社外研修やセミナーの参加:業界のトレンドやビジネススキル、マーケティング戦略などを学ぶために、社外の研修やセミナーに参加することができます。また、他社の経営者と交流する機会も提供されるため、広い視野を持つことができます。
  • 海外留学プログラム:海外でのビジネス経験を積み、グローバルな視点を身につけることができます。また、現地の文化やビジネス環境を学ぶことで、国際化に向けた準備をすることができます。
  • プロジェクトマネジメントトレーニング:プロジェクトの計画から実行、評価までの一連の流れを学び、リーダーシップやコミュニケーション能力を高めることができます。
  • コンサルティングサービスの提供:外部のコンサルタントによる事業評価やマーケティング戦略の提案など、専門知識を持ったコンサルタントによるサポートが受けられます。
  • ビジネスコンテスト参加:ビジネスアイデアの提案やビジネスプランの作成など、ビジネススキルを試すことができます。また、他の参加者との交流や評価を受けることで、自己評価を高めることができます。

これらのプログラムは、後継者の能力やスキルを総合的に育成するために提供されます。後継者が事業を引き継ぐ際には、経営者としてのスキルだけでなく、グローバルな視点やコミュニケーション能力、イノベーションの発想力など、多面的な能力が求められます。したがって、様々な育成プログラムを通じて、後継者の成長を支援する必要があります。

 

 

まとめ

本章では、事業承継において重要な役割を担う後継者の選定と育成方法について解説しました。

後継者の選定方法としては、まずは事業の規模や性格に応じた適切なプロセスを設計し、その上で候補者の人物像や能力を総合的に判断することが重要です。また、外部の専門家やコンサルタントを活用することで客観的な視点から選定プロセスを支援することも可能です。

後継者育成においては、リーダーシップ開発プログラムやメンター制度の導入が有効な手段となります。また、ビジネススキルや専門的な知識を習得できるトレーニングプログラムの提供や、海外研修などの機会を提供することも重要です。

後継者として求められる能力やスキルセットについては、事業戦略の立案や実行、コミュニケーション能力、リスクマネジメント能力などが挙げられます。これらの能力を身につけることが、事業承継の成功に欠かせません。

事業承継において後継者の育成は、事業の継続と発展にとって非常に重要な役割を果たします。後継者の選定と育成にあたっては、時間をかけて十分なプロセスを設計し、候補者に必要なスキルや知識を習得できるプログラムを提供することが重要です。

 

 

第四章 経営者と後継者の意思疎通の方法


育成講座の内容の紹介:

  1. 事業承継における基礎知識
  2. 伴走型事業承継コンサルタントの役割・業務内容
  3. 後継者の選定と育成方法
  4. 経営者と後継者の意思疎通の方法
  5. 事業承継の計画策定方法
  6. 財務・税務対策の考え方
  7. DXを活用した事業承継の取り組み
  8. まとめ