未来を担う後継者と経営者を支援する

伴走型事業承継コンサルタントの育成講座


事業承継において、後継者や経営者が直面する様々な課題や問題を解決するために、専門的な知識や経験を持った伴走型コンサルタントの存在は欠かせません。しかし、現在はこの分野におけるコンサルタントの人材不足が問題となっています。そこで、未来を担う育成者たちが伴走型コンサルタントとして活躍できるよう、この育成講座を開催いたします。

 

育成講座の内容の紹介:

  1. 事業承継における基礎知識
  2. 伴走型事業承継コンサルタントの役割・業務内容
  3. 後継者の選定と育成方法
  4. 経営者と後継者の意思疎通の方法
  5. 事業承継の計画策定方法
  6. 財務・税務対策の考え方
  7. DXを活用した事業承継の取り組み
  8. まとめ

 

本講座では、実践的な手法を中心に、事業承継に関するあらゆる課題に対応できる伴走型コンサルタントの育成を目指します。また、専門家の講義や事例研究、グループワークを通じて、参加者のスキルアップを支援します。

 

伴走型事業承継コンサルタントは、経営者と共に事業承継計画を策定し、成功に向けたサポートを行います。そのためには、事業承継の法律や税務上の知識、資産評価や財務分析などのスキルが必要です。また、相続人間の調整や事業継承者の育成など、人間関係の面でもアドバイスを行うことが求められます。

現在の日本経済において、中小企業の事業承継問題が深刻化しており、伴走型事業承継コンサルタントの存在がより重要視されています。また、地域経済においても、事業承継により地域内の企業が持続的に発展することが求められています。

伴走型事業承継コンサルタントは、事業承継を成功に導くために必要なサポートを提供することで、企業や地域の発展に貢献することができます。今後も、事業承継問題が深刻化する中で、伴走型事業承継コンサルタントの需要は高まることが予想されます。

 


第一章 事業承継における基礎知識

 

  1. 事業承継とは何か?- 事業承継の定義や種類、その重要性について説明します。
  2. 事業承継の準備- 事業承継を行う前に必要な準備やチェックリストを紹介します。
  3. 承継者の選定- 承継者の選定において重要なポイントや注意点を解説します。
  4. 資金調達- 事業承継において資金調達が必要な場合について、その方法や手続きについて説明します。
  5. 税金対策- 事業承継において必要な税金対策について、その方法や注意点を解説します。

 

 

1.事業承継とは何か?

事業承継とは、経営者が死亡や病気、高齢などにより経営から退く場合に、その事業を継承する後継者を定め、スムーズに経営権を移譲することを指します。近年、高齢化に伴い多くの企業が事業承継に直面しており、スムーズな事業承継が重要視されるようになっています。

事業承継には、企業内部での後継者の育成や、外部からの事業継承など様々な方法があります。後継者の育成には、経営者自身が後継者を育てる方法や、外部のコンサルタントによる支援を受ける方法などがあります。また、事業継承のための資金調達や法務手続きなど、様々な問題に対処する必要があります。

事業承継において重要なポイントは、計画的な準備が必要であることです。経営者自身が計画的に後継者の育成や事業承継の準備を進めることが望ましいですが、時間的・人的な制約から、外部の専門家に支援を受けることが必要となる場合もあります。

また、事業承継には、法的な手続きや税務上の問題など、様々な問題に対処する必要があります。専門的な知識を持ったコンサルタントの支援を受けることで、これらの問題に対処することができます。

事業承継は、経営者自身の将来の安心や、企業の存続・発展のためにも重要な課題です。計画的かつスムーズな事業承継を進めるためには、事前の準備と専門家の支援が不可欠です。

 

事業承継は、経営者の思いや経営方針を引き継ぐことができるため、企業の継続性を担保する上で非常に重要な役割を果たしています。

事業承継には、以下のような種類があります。

・親族内承継:家族や親族の者が事業を引き継ぐこと。

・従業員による承継:従業員が事業を引き継ぐこと。

・MBO(Management Buy Out):経営者以外の管理者や社員が事業を引き継ぐこと。

・M&A(Mergers and Acquisitions):他の企業が事業を引き継ぐこと。

事業承継の重要性は、企業の継続性を担保するだけでなく、地域経済に貢献することが挙げられます。また、承継者には新しい視点やアイデアが加わることで、事業の成長につながることもあります。しかし、事業承継には多くの課題や障害が存在するため、十分な準備や対策が必要です。

 

 

 

2.事業承継の準備

承継の準備をする上で重要なのが、後継者の育成や事業評価、相続対策、税務対策などです。後継者の育成においては、後継者が必要なスキルや知識を身に付けることが必要です。また、経営者や社員からの技術や知識の引き継ぎも重要です。事業評価では、事業の現状や将来性、市場動向などを考慮して事業価値を算出することが必要です。相続対策では、相続税の負担を減らすために、相続人の適切な選定や遺言書の作成、贈与などの方法があります。税務対策では、事業承継に伴う税務上の問題を解決するために、事業承継に最適な税制や節税策を検討する必要があります。

事業承継における準備は、突然の事態に備えるためにも早めに始めることが重要です。十分な準備をすることで、スムーズな事業承継ができるようになります。

事業承継を成功させるためには、事前の準備が欠かせません。以下では、事業承継の準備について解説します。

  1. 目的の明確化:事業承継の目的を明確化することが重要です。後継者の育成、事業の継続、財産の保全、経営理念の継承など、目的は様々です。目的を明確にすることで、後継者やコンサルタントとのコミュニケーションがスムーズになり、事業承継計画の策定が進みます。
  2. 後継者の選定と育成:後継者の適性を見極め、育成することが大切です。後継者には、事業経営の知識や経験、リーダーシップ、人間関係構築能力などが必要です。後継者の育成計画を策定し、実行することで、後継者の能力向上が期待できます。
  3. 経営環境の把握:事業承継においては、経営環境の把握が不可欠です。競合状況や市場動向、法律・税務制度の変更など、経営環境は日々変化しています。事業承継計画の策定にあたり、経営環境の分析・把握が必要です。
  4. リスクマネジメント:事業承継には、多くのリスクが伴います。たとえば、相続税・贈与税の問題や、後継者不在の場合の事業継続の問題などがあります。これらのリスクを事前に洗い出し、対策を立てることで、事業承継のリスクを最小限に抑えることができます。
  5. 法律・税務の対策:事業承継には、法律や税務の知識が必要です。相続税・贈与税の対策や、後継者の株式譲渡に伴う税務問題など、法律・税務に関する専門的な知識を持つコンサルタントや弁護士の支援が必要です。

 

事業承継を行う前には、以下のような準備が必要です。

事業評価:事業の現在価値を評価することで、承継者に適切な評価額を提示することができます。

経営計画の策定:事業の将来の展望や目標を明確にし、承継者が事業を継承する上での方向性を示すことが重要です。

法的な手続きの確認:承継に必要な法的手続きや書類、契約内容を確認することが必要です。

税務面の対策:相続税や贈与税など、承継に伴う税金対策を事前に行うことが重要です。

また、以下のようなチェックリストを活用することで、事業承継に必要な準備が漏れることなく進められます。

・事業評価に関する情報収集

・経営計画の策定と将来展望の明確化

・承継に関する法的手続きの確認と対策

・適切な税金対策の策定 ・承継者選定のプロセスとポイントの明確化

・承継後の事業継続のためのリスクマネジメントの策定

・コミュニケーション戦略の策定

 

 

3.承継者の選定

承継者の選定は、事業承継計画の中でも重要なポイントの一つです。後継者がいない場合は、承継者を外部から探す必要があります。そのためには、以下のようなポイントや注意点があります。

  1. 能力や経験

承継者には、経営能力や経験が必要です。特に、事業を継承してからの将来の展望や、事業に対するビジョンを持っていることが望ましいです。事業の規模や業種によって求められる能力や経験は異なりますが、事業の将来を見据えて、必要な能力や経験を持っていることが重要です。

  1. 経営理念や価値観の共有

承継者は、先代経営者の理念や価値観を受け継ぐことが求められます。そのため、先代経営者の経営理念や価値観を共有していることが大切です。事業を継承するためには、先代経営者の想いや信念を理解し、事業を受け継ぐ意志を持っていることが必要です。

  1. コミュニケーション能力

承継者は、スタッフや取引先とのコミュニケーションが必要です。そのため、コミュニケーション能力が求められます。スタッフや取引先との信頼関係を築き、事業を成功させるためには、承継者自身がコミュニケーション能力を持っていることが望ましいです。

  1. リスクマネジメント能力

事業を継承するためには、リスクマネジメント能力が必要です。例えば、経済状況の変化や競合他社の進出などの外部要因に対して、どのように対処するかを考え、リスクを最小限に抑えることが必要です。

以上のようなポイントや注意点を踏まえて、承継者を選定することが重要です。また、承継者には、先代経営者とのコミュニケーションや教育・指導など、スムーズな事業継承のために必要な支援を行うことが求められます。特に、先代経営者からの情報共有やアドバイスを受けることができるよう、先代経営者とのコミュニケーションを密にすることが重要です。また、承継者自身も、事業の将来に対するビジョンを持ち、将来に向けての方向性を示すことが必要です。

承継者の選定には、時間がかかる場合があります。しかし、十分な時間をかけて選定し、先代経営者とのコミュニケーションを密にし、事業継承の準備をしっかりと行うことが、スムーズな事業承継のためには欠かせません。

 

承継者の選定は、事業承継の成功にとって非常に重要なポイントです。以下に、承継者選定において重要なポイントや注意点を解説します。

将来性のある人物であること:承継者は、事業を引き継いだ後も持続的な成長を目指す必要があります。そのため、将来性のある人物を選定することが重要です。

事業理解があること:事業を引き継ぐためには、事業の理解が必要です。承継者が事業を理解し、継続的に成長させるための戦略を持っていることが重要です。

人間関係の構築ができること:承継者は、従業員や顧客との良好な関係を築くことが必要です。そのため、人間関係の構築能力があることが重要です。

財務面のスキルを持っていること:事業の経営には、財務面でのスキルが必要です。承継者が財務面でのスキルを持っていることが重要です。

事業に対する情熱があること:事業を引き継ぐためには、その事業に対する情熱が必要です。承継者が事業に対する情熱を持っていることが重要です。

 

 

4.資金調達

事業承継においては、資金調達が必要になる場合があります。例えば、承継者が外部から事業を買収する場合や、先代経営者から事業を譲渡された際に必要となる場合があります。このような場合には、以下のような方法があります。

  1. 銀行融資:銀行からの融資は、比較的低い利率で借り入れることができます。融資を受けるには、事業計画や財務諸表の提出が必要となります。また、返済能力や担保の有無も重要な審査基準になります。
  2. 株式・債券発行:株式や債券を発行することで、資金調達をすることができます。株式の場合は、発行した株式を購入した投資家から資金を調達することができます。債券の場合は、発行した債券を買い取った投資家から資金を調達することができます。ただし、発行には手数料やコストがかかるため、注意が必要です。
  3. 調達型クラウドファンディング:クラウドファンディングは、インターネット上で資金を募集することができます。調達型クラウドファンディングは、資金提供者に対して、将来的な利益を還元することで資金を調達します。ただし、調達型クラウドファンディングは成功しない場合もあるため、事前に慎重な検討が必要です。
  4. 助成金・補助金の活用:国や自治体などから、事業承継を支援するための助成金や補助金が提供されている場合があります。これらを活用することで、資金調達につなげることができます。ただし、助成金や補助金には条件があり、応募期限もあるため、事前に確認が必要です。

以上の方法がありますが、どの方法を選択するかは、事業規模や財務状況などによって異なります。また、複数の方法を併用することもできます。資金調達にあたっては、計画的な資金調達が重要です。以下に、資金調達の手続きについて説明します。

まず、銀行融資を利用する場合には、事業計画や財務諸表の準備が必要です。事業計画には、事業の将来的な展開計画や収益性の見込み、返済計画などを含める必要があります。また、財務諸表には、決算書やキャッシュフロー計算書、貸借対照表などが含まれます。これらの書類を提出することで、銀行から融資を受けることができます。

次に、株式・債券発行を利用する場合には、発行手続きが必要です。株式の場合は、公開株式と非公開株式がありますが、非公開株式の場合は有限責任事業組合などが一般的です。債券の場合は、信用力や債券の種類によって発行手続きが異なります。発行に際しては、証券会社や金融機関との協力が必要となります。

調達型クラウドファンディングを利用する場合には、クラウドファンディングサイトに登録し、プロジェクトを作成する必要があります。プロジェクトには、資金調達の目標額やプロジェクトの概要、利益配分などを含める必要があります。プロジェクトを公開することで、インターネット上で資金を募集することができます。

助成金・補助金を利用する場合には、助成金・補助金の申請手続きが必要です。助成金・補助金には、国や自治体などから提供されるものや、業界団体から提供されるものなどがあります。申請に際しては、申請書類の提出や選考委員会との面接が必要となる場合があります。

以上のように、資金調達にはそれぞれ手続きがあります。事業規模や財務状況に合わせて、最適な方法を選択することが重要です。また、資金調達の方法だけでなく、計画的な返済計画の策定や、融資・調達金の適切な使い道の考慮も必要です。

特に、融資を受ける場合には、返済計画の策定が欠かせません。返済計画には、借入金の返済期間や返済方法、返済期間中の利息支払いなどが含まれます。銀行融資の場合、返済計画を提示することで、銀行からの融資が受けやすくなります。

また、資金調達をする際には、調達金の使い道にも注意が必要です。調達金を適切に使わないと、返済が困難になる場合があります。例えば、調達金を無駄遣いしてしまうと、事業の収益性が低下し、返済計画が崩れる可能性があります。調達金の使い道には、資産購入や事業拡大など、将来的な収益性向上につながるものを選択することが重要です。

最後に、資金調達にあたっては、複数の手段を組み合わせることも有効です。例えば、銀行融資と株式発行を組み合わせることで、より多くの資金を調達することができます。複数の手段を使うことで、リスクを分散させることもできます。資金調達には、慎重な計画と柔軟な戦略が必要です。

 

 

5.税金対策

事業承継においては、相続税や贈与税などの税金問題が大きな課題となります。このため、事業承継にあたっては、税金対策を十分に考慮する必要があります。以下では、事業承継において必要な税金対策について解説します。

まず、事業承継において最も一般的な方法は、相続税や贈与税を軽減するための対策です。具体的には、事前に相続税や贈与税の計画を立て、適切な対策を講じることが重要です。

相続税の場合、事業を承継する側が相続人となる場合が多いため、事業の価値を減少させることで相続税を軽減する方法があります。具体的には、株式や土地などの不動産資産を贈与することで、相続税負担を軽減することができます。また、相続時には事業承継を円滑に行うために、相続人になる側が一定の負担を負うことも考慮する必要があります。

贈与税の場合、事業を承継する側が贈与を受ける場合が多いため、相続税と同様に贈与税を軽減するために、事前に対策を講じることが重要です。具体的には、相続時と同様に、株式や不動産資産などを贈与することで、贈与税負担を軽減することができます。また、贈与に際しては、適切な節税対策を講じることが必要です。例えば、贈与税がかからない上限額を超えないようにすることや、贈与によって発生する贈与税額と実際に相続税額が変わらないように調整することなどが挙げられます。

なお、事業承継においては、税務署とのやりとりや税務調査にも注意が必要です。事前に適切な税務対策を講じることで、税務署とのやりとりをスムーズに進めることができます。また、税務調査に対しても適切な対応をすることで、不利な結果を回避することができます。税務署とのやりとりや税務調査に際しては、税理士や税務専門家の助言を受けることが重要です。

さらに、事業承継においては、法律上の手続きにも注意が必要です。例えば、相続手続きや贈与手続き、株式移転手続きなどが挙げられます。これらの手続きは、適切な方法で行わなければ、税金問題だけでなく、企業価値の低下や資産の紛失などの問題を引き起こすことがあります。そのため、法律上の手続きについても、税理士や弁護士などの専門家の助言を受けることが重要です。

最後に、事業承継における税金対策には、事前の計画が重要であるということを強調しておきます。相続税や贈与税を軽減するためには、計画的な対策が必要です。また、税務署や法律上の手続きについても、事前に適切な対策を講じることで、スムーズに事業承継を進めることができます。事業承継においては、税金対策を含めた様々な課題に対応するために、十分な準備を行うことが成功の鍵となります。


育成講座の内容の紹介:

  1. 事業承継における基礎知識
  2. 伴走型事業承継コンサルタントの役割・業務内容
  3. 後継者の選定と育成方法
  4. 経営者と後継者の意思疎通の方法
  5. 事業承継の計画策定方法
  6. 財務・税務対策の考え方
  7. DXを活用した事業承継の取り組み
  8. まとめ
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